今回は、2025年4月にご依頼をいただいて制作した最新作、「anarchy shirt 155」を紹介します。

実はこの一着、ボクが手掛ける monochromeシリーズとしては2年ぶりの登場。

依頼主のご要望により、2019年作の「089」（monochrome）を参考に、現在のボクのスキルで再構築しました。

グレーに染色したシャツ。そこに墨汁でステンシルを施し、さらに濃度を調整したブリーチでラインを描き込んでいきました。
monochromeシリーズなので、「赤」の部分、「黒」の部分がわかるように墨汁で濃淡を作り、徹底的にモノクロ化しています。

6年前の「089」では、正直、表現が控えめな印象でした。それはそれで当時の味だったのかもしれませんが、この「155」では、そのあたりの物足りなさを修正し、より力強く、アグレッシブな表現を目指しました。
シャツ全体の墨汁染めは現在行っていませんが、ステンシル、ペイント、スローガンパッチ、マルクスパッチ、イーグルパッチには全て墨汁を使用し、徹底的にモノクロームの世界観を追求しています。

今回の制作で特に心に残ったのは、依頼主の方からいただいた「t.n.A.f.t.へのアナーキーシャツのオーダーは長年の夢でした」という言葉です。その言葉を受け、この世に一枚しかない、最高のanarchy shirtを届けたいという気持ちがさらに強くなりました。
過去作「089」で表現しきれなかった部分を、今のボクだからこそできる表現で再度具現化できたことにも感謝しかありません。

アナーキーシャツは、ボクにとって一つ一つが魂のこもった作品です。
全く同じものを作ることは不可能ですが、それがハンドメイドの醍醐味であり、唯一無二の価値を生み出すと信じています。

t.n.A.f.t.の過去作を見て「これが欲しい！」と感じてくださるオーダーは、いつでも大歓迎です。
同じものは作れないけれど、あなたのための「最高」で「唯一無二」の一着を、ボクが作ります。

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