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2023/07/19 12:00
画面の前の皆様、アクセスくださいましてありがとうございます。
t.n.A.f.t.ブログ担当スタッフの“あめでお”と申します。
今回はオーダーいただきましたサイモン・バーカータイプのアナーキーシャツの制作のお話をしていきます。
レプリカは制作しない
t.n.A.f.t.では以前にもサイモン・バーカータイプのアナーキーシャツを制作したことがあります。そのアナーキーシャツとは「anarchy shirt 021」です。
そして、過去のブログには“レプリカは制作しない”と書いてあります。
ですので、今回制作するアナーキーシャツもサイモン・バーカータイプではありますが、決して完コピを目指したものではありません。
しかし、“レプリカは制作しない”と言うものの、何故今回のサイモン・バーカータイプのアナーキーシャツ制作に至ったのでしょうか。
と言うのは、依頼者様からの強いご要望に応えさせいただきたいと思ったからでした。
メールでのオーダー内容からは依頼者様のアナーキーシャツに対する熱い想いと、t.n.A.f.t.デザイナー大谷の技術とセンスに対する厚い信頼を感じ、今回のサイモン・バーカータイプのアナーキーシャツ制作に入りました。
そして制作へ
先ずはいつもの様に染色からスタートです。今回はサイモン・バーカータイプのアナーキーシャツですが、ベースシャツの染色のグレーを濃くして欲しいとの事でした。
しかし、染め上がりを細かく調整する事は難しいので、ここは依頼者様に仕上がりの色を「大体、こんな風になります」と言う旨をメールで説明し、話し合い、双方が納得したうえで染色の作業へと進めました。
過去のブログでもお話しましたが、冬の染色は過酷です。
チリチリに凍らせた様な冷たい水との格闘です。
染色が終わったら次はブリーチをしていきます。
力強く綺麗な線を引いていきます。
この緊張感が写真から伝わると嬉しいです。そして、ブリーチが終わると今回1度目のペイントをしていきます。
サイモン・バーカータイプのアナーキーシャツなのでグリーンのペイントを入れていくのですが、ベタっと色を載せればいいと言う訳ではありません。
ここは、やはりそれに等しい色を表現するために塗料の色彩を調整しなければなりません。
理想の色になるまで慎重に。
デザイナー大谷は、その感覚も細かく大切にして制作に取り組んでいます。
丁寧に、慎重に
1度目のペイントが終わると、次は左前身ごろの「ONLY ANARCHISTS ARE PRETTY」のステンシルです。これも、いきなり始める訳ではありません。
ステンシルの塗料の濃淡を調節し、テスト用のシャツで幾度か色調や滲みがあるかないかを見ます。
これも、とても気を遣い根気の要する作業です。
そして、全体のバランスを見ながら美しくおさまる様に文字を一文字ずつ配置していきます。
時間をかけてトントン、トントンと微妙な濃淡を表現するためハンドステンシルで制作しています。
全ての工程は丁寧に慎重に行われていきます。
今回のオーダーでは左袖のカフスへも「CHAOS」のステンシルをとの事なので、ここへもステンシルです。
細かなオーダーにも出来る限り応え、レプリカとはいえども世界に一枚しかないアナーキーシャツを制作していきます。
セディショナリーズらしさを表現
左袖カフスの「CHAOS」のステンシルを施してから2度目のペイントです。色を重ねる事で、グッと深い色になりその表情が更に変わっていきます。
こうして、ペイントとブリーチ、ステンシルの工程を経て、スローガンパッチの制作です。
今回のスローガンパッチは、依頼者様がメッセージの書体をt.n.A.f.t.のアナーキーシャツの過去作品の中から選び、「これにしてください」と書体の御指定をいただきました。(スローガンパッチのメッセージの内容はもちろんサイモン・バーカータイプのものです。)
そして、マルクスパッチは染色をせずにモノクロのままでとのことでした。
t.n.A.f.t.のスローガンパッチのほとんどは、デザイナー大谷がアナーキーシャツの制作をして来た中で試行錯誤し、何枚も描きながら辿り着いた独自の技法で制作しています。
これによって、よりセディショナリーズらしさを表現することができるのです。
そして、時間をかけて手描きで制作しているものなので、他の誰にも真似することはできません。
世界にたった一枚のアナーキーシャツ
パッチ類がつくと、いよいよアナーキーシャツの完成は目前となってきます。タグがつき、ボタンをつけ、そして最後にいつものように撮影をしたらt.n.A.f.t.のアナーキーシャツは完成します。
いかがでしたでしょうか?
この様にオーダーいただけましたら、デザイナー大谷が依頼者様だけの世界にたった一枚のアナーキーシャツを制作いたします。
もちろん、サイモン・バーカータイプでも、そうじゃなくても構いません。
デザイナー大谷にお任せしてみてはいかがでしょうか。