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2017/10/13 12:00

「1万円以下なら購入したいです!」
と、交渉をいただいたんですが……

アナーキーシャツを1枚創るのにどれだけの労力と時間がかかると思いますか?
ま、そー言う人にしてみれば「そんなん知るか!」でしょうけど。


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●まず、シャツを選びます。
どんなシャツでもいいってわけではないのです。
全体のシルエット、大きさ、ストライプの種類、色、価格などのチェック項目があります。 *探すのに時間がかかるし、ピッタリくるものが見つかるとは限りませんので、将来的にベースになるシャツを量産する予定にしています。






●シャツが決まったら、ボタン、胸ポケット、ネームタグ、品質表示タグ、襟を丁寧に外します。
染色やブリーチラインなどの作業に邪魔になるので、生地に傷を付けないように外します。 襟を外すのは、丸襟に加工するためです。






●丸襟への加工が出来たら、台襟に戻し、ピンホールを開けます。
丸襟ではないアナーキーシャツもありますが、丸襟にピンホールが格好いいので一手間かけます。






●形が出来たら洗って、染色、そしてまた洗って干します。(1回目)



同じ染料で、染色時間を変えると違うものになります。
また、ユーズドのシャツを使っているので、色や表情も同じになりません。
これがユーズドを使う醍醐味だと思います。世界に1枚しかないアナーキーシャツが創れるので。





●1回目の染色が出来たらブリーチラインを引きます。
考えながら、それでいて感覚的に、緊張しすぎずブリーチで描いていきます。






●ラインが引けたら、洗って乾燥×2。(表と裏)







●更に染めます。(2回目)
1回目に染めたときよりも慎重に!
自分の感覚だけが頼りですが、染色時間を気にしつつ、色を見極めながら染めます。

同じ染料なのに違う表情になるから面白いですね。





●次にペイントして、ステンシル。
この作業もブリーチラインと同じで、考えながら、それでいて感覚的に、緊張しすぎないで描いていきます。
塗料が乾いた段階で、バランスを考えながらステンシルを入れて行きます。


必要な場合はステンシルも2回します。





●シャツの身頃に合わせてスローガンパッチを制作します。
ユーズドのシャツを使用しているが故の工程ですね。


文字の形に気を付けながらブリーチで描きます。
この作業は、緊張しかありません(笑





●パッチ類を配置、縫製、そして新たなボタン、t.n.A.f.t.のネームタグを付けて仕上がりになります。

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完成までに、10日〜2週間、場合によっては3週間かかります。*他の仕事と平行する場合もあります。

そして、この手間です。
この手間の割には、材料費の兼ね合いもありますが、現在16,000円ぐらいから、高くても20,000円ちょいの価格で提供しております。
*今後、ベースシャツが自前になれば、この価格での提供は難しくなると思います。

好きでやっていますので、愚痴るつもりもないのですが
「1万円以下なら」という交渉に驚きと、少々の憤りを感じたので
ざっくりと作業工程を書くことにしました。*もっと細かいこともあるんですが書くときりがないので(笑

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。